PRIVATE EVENT

EVENT REPORT

2020 Jul 10

withコロナ時代を生き抜くDXを支えるプロダクト戦略

登壇者

クライス&カンパニー 顧問 及川 卓也

エムスリー 執行役員VPoE / プロダクトマネージャー 山崎 聡氏

Pivotal Labs Tokyo シニアプロダクトマネージャー 坂田 一倫氏

コロナによって私達の仕事や生活はどう変化したのか

及川

まず初めに、自己紹介から進めていきます。私は、本イベントを主催するクライス&カンパニーの顧問を務めております。一方、私自身も小さいながら自分の会社も持っていまして、様々な企業のIT活用を支援させていただいております。

元々はプログラマからキャリアをスタートしまして、大手外資企業を3社経験後、日本のスタートアップ企業1社を1年半ほど経て、現在は創業間もないスタートアップから上場間近や上場後の企業に加えて日本の代表的な大企業も支援をしております。今日はよろしくお願いいたします。

山崎

私は2006年に臨床研究領域でDXを行うメビックスに入社し、その後エムスリーグループ入りして以降はエムスリーで主にプロダクトマネジメントに携わっています。

私は8才からコンピューターを触り始めて、最初に触れたプロセッサーは8080互換。8086の発売前からやっているような(笑)、マイコンが好きなタイプです。その後プログラミングを色々やってきたのですが、「何をつくるのか」「どの問題を解決するのか」が非常に重要であると気づき、この10年以上は0→1でプロダクトを立ち上げたりテコ入れしたりしています。

今年の4月からはエンジニアリンググループに加え、デザイングループやモバイルアプリケーションの企画をするマルチデバイスプラットフォームグループ等横断的な担当役員を務めており、よりエムスリーでプロダクト開発を推進していく立場として統括させていただいています。今日は色々面白いお話ができればと思いますので、ぜひよろしくお願いします。

坂田

私はデザイナーからキャリアをスタートして、楽天市場でバナー等のビジュアルデザインを手掛けた後、ウェブサイトのリニューアルなどUXのデザインに携わるようになりました。

デザイン会社でクライアントワークの経験を積み、前職のリクルートテクノロジーズでは事業戦略に基づいたUXの向上を目的とした施策検討を担当し、各プロダクトに落とし込むことを主にやっていました。「誰のために」から「どのように」「なぜそれをすべきなのか」という問いを自分に重ねていき、現職のPivotal Labs Tokyoにプロダクトマネージャーとして入り来月で5年目になります。

当社は1980年の設立当時からアジャイル開発をバックボーンに進めており、今では自社プロダクトを企業にインストールしながら、アジャイル開発手法をセットで企業のDX支援サービスを提供しています。他社との違いは、クライアントさんにご来社いただいて私やデザイナーやエンジニアとペアになって我々の開発手法を学んでいただきながらプロダクト開発するサイクルを続けていく点です。本日はよろしくお願いします。

及川

坂田さんと以前あるメディアで対談した時に、すごく記憶に残っているキーワードがありまして、「納品物はチームです」と言われたんです。

これはつまり、クライアントがPivotal Labsのオフィスに来て、プロダクトマネージャー・デザイナーやエンジニアがペアプロのような形で隣同士の席で一緒になってプロダクトを創りあげていく。その時にモノづくりだけではなく方法論を学んでいただくので、この3職種の人たちが自社に戻ったら自走できるということでこの表現をされたと聞いているんですよね。これってめちゃくちゃかっこいいなと思って、色々なところでこの話をさせていただいています(笑)。

坂田

ありがとうございます。

及川

現在、新型コロナウイルスから約半年ということで、恐らく激動の時間だったと思うので、ぜひこれからじっくり話していきたいと思います。

これはエクサウィザーズがまとめたアンケート結果ですが、「①コロナの影響がどれくらい続くのか?」という質問に対して、「2021年も続く→72%」「2022年も続く→17%」という回答となっています。これは6月に実施されたアンケートですが、5月のアンケート結果と比較してそれぞれ+16%、+6%ということで、やはり想定より長くかかりそうだと皆さん考え始められている。「②そのための対策として何か実施しましたか?」という質問に対しては、DX推進をしたり、経営戦略の見直し・シナリオプランニングを行ったり、アフターコロナのビジョンを見据えた取り組み等の新しい世界を考え始めたり、という回答がありますね。

あとは、業界によっても取り組みに濃淡が出ているところがあり、製造業や情報通信業は比較的積極的に取り組んでいるけれども、例えばサービス業は遅れている。①のコロナの影響がどのくらい続くのかという点については、お二人はどのようにお考えになりますか?

坂田

ロードマップをどこまで引いているかにもよりますが、今後1~2年までの見直しは既に始まっているので、その期間までは影響は出てくるだろうと我々は思っていますね。

山崎

我々も長期化すると思っています。直接コロナの影響を受けている期間は半年~1年、もしかするとそれ以上になると思うのですが、当社代表の谷村も言っているように「これは構造変化である」と。

コロナに対応していくというよりは、産業の構造が変わっていく。それは不可逆的な変化であって、そこに合わせて対応できるかどうかが勝負の分かれ目であり、時代が変わるターニングポイントになっていくのではないかと認識しています。

及川

お二方のお話は全くその通りだなと思いまして、私もこの質問に答えるとしたら、「2022年どころか永久的にこの影響は続きます」と。一旦変わってしまったものは非可逆的な変化になっているので、その変化は未来永劫続くものと考えるべきだと言えると思います。

次のアンケート結果ですが、これはどのようなアプリがセッション数・インストール数において増加しているかをまとめたものです。

ゲームやリモートワークに関係しそうなビジネスアプリにデリバリ系、自宅で暇な時間を潰すための娯楽アプリが増えている。お二方は、仕事ではなく個人でのアプリの使い方として何か変化したところはありますか?

坂田

私は以前からデジタル接触の平均を見るために携帯のスクリーンタイムを計っているのですが、コロナに入ってからアプリを使う頻度が劇的に減ってきて、そもそも使わなくなったのが変化かなと思っています。

普段からゲームをしないことと、他のサービスを受ける機会や時間が少なくなっているのも原因としてあります。外に出てショッピングする機会も無くなり、お弁当を買って帰るだけという生活になる中で、必然的に使うアプリがどんどん減り、デジタル接触も減ってきた気がしますね。

あとは、ノイズも多いからということもあるかもしれない。ネガティブに「今日の感染者数は何人」という情報に左右されると、どういうアクションを取ればいいのか考えてしまうのが人間の性というか。

でもやることは「自宅でちゃんと自分の身を守る」ということであって、その情報があっても無くても一緒だと思うんですよね。

山崎

元々エムスリーはリモートワークを積極的に導入しておらず、エンジニアなので緊急対応や夜間対応等はリモートで行うものの、基本は集まって問題を解決しようというスタイルでしたが、このコロナの状況下でかなり素早くリモートにシフトしていきました。

そうすると個人的な生活も大きく変わってきて、通勤時にKindleで本を読む時間がなくなったり、自宅でUber Eatsを使うようになったりと、プロダクトへの期待値や可処分時間を取る母数の構造変化は大きいと思いますね。

及川

今の山崎さんのお話にもwithコロナの時代においてプロダクトマネージャーが考えなければいけないことのヒントが隠されていたと思います。

恐らくプロダクトをつくる際にはどの企業でもターゲットユーザーを仮想人格(ペルソナ)とし、その人の生活パターンを考え、自分たちのプロダクトはペルソナのどの時間帯にどう使われるのかを考えるわけですけれども、生活様式が大きく変わったことによりそれが当たらなくなることが出てきている。

なので、お二方の話を聞いて確かにと思うところがあるということは、嫌でもプロダクト戦略の見直しはやっておかなければおかしいという証左にもなると思いました。

また、こちらのグラフを見ていただくと分かる通り、コロナによって一方的に景気が悪化するのでは無く、4月後半を境にV字快復をしています。あとは業種によってプラスマイナスがはっきり分かれる傾向がありますね。

withコロナ時代において、既定路線の戦略変更は必要か

及川

本日は2つほどトピックを用意しております。その1つ目として、事業・プロダクトはそれなりのスパンで計画のマイルストーンや戦略を持っていますが、コロナが原因で変更しないといけなくなっている事業やプロダクトが多く出てきていると思います。

その必要性はどこまであるか、もしくはどう判断したら良いか、どのように実施していくべきかを考えたいと思います。これは恐らく参加者の方も悩まれていると思うので、「現状のwithコロナ時代において既定路線の戦略変更というものは必要か不要か?」について、ご自身のお考えをお聞かせください。

坂田

ほとんどの場合において、必要だと考えます。ただ、なぜ必要か不要か、両側面から考える必要があるかなと。

とある自動車会社さんと販売店向けのシステムを20年ぶりに刷新している中で、コロナの影響で予算削減やプロジェクトの縮小・人の配置換え等すごく大きな変更が組織内で起こっていて、自ずとロードマップの変更が必要になり、戦略やビジョンも変えなければという話が盛り上がってくるのですが、私は「それこそ一番変えてはダメですよね」といつも言っています。

自動車会社の収益の大半は車を売ることなので、このシステムの役割は販売店の店長やサービスマネージャーの方々の業務オペレーションを効率化することが一つゴールではありますが、それがどう車を売ることにつながるのかを考えないと、アプローチの戦略を変える必要があるのか判断がつかない。

それで現状どうかというと、変える必要があると思っています。なぜならユーザーの生活様式が大きく変わってきていて、車で移動する人が圧倒的に減っており、販売店に足を運ぶ人がすごく減る。販売店としてはアクセサリーや新車のご案内等をしたくともできないので、売上が圧倒的に落ちてしまうことがリスクであり、戦略の変更が必要不可欠となる状況が起こっています。

我々はよく開発の中でMVP(Minimum Viable Product)という言葉を使うのですが、「誰にとってのMVPなのか」を常に問うていて、エンドユーザーのためのMVPなのか、自社のためのMVPではないのか?と。

この両者は全然違うものであり、社内事情で予算確保がとても難しいからその先の開発ができないとなりがちですが、とは言え成果が達成できないとそもそも意味が無いので続けるべきだというコミュニケーションを今頑張ってやっているところです。

山崎

既定路線の変更は必要だと思います。ただ、どの程度マクロで見るか、ユニバースをどう考えるかによって話が変わってくる。我々の大きいミッション・世界観は、そこを達成するためにチーム一丸となってやっているので影響は無いかもしれない。

一方で、本当にこの数ヶ月で医療の世界は激動しています。我々は医療機関にマスクやフェイスシールドを配るとか、募金のファンドも創って協賛金を得てそれを投資していく緊急プロジェクトもやっていますし、アリババと連携して肺炎画像を使ってコロナ肺炎の診断システム提供も行っています。

PCR検査には数日かかりますが、CTであれば数分で実施できる利点がある。しかも日本は一番CTが多い国なので、健診センターで余っているCTを活用して問題解決していく等、ニーズに合わせて必要なものを生み出しています。よりアジャイルに、タイムラインが3倍・5倍・10倍くらい短くなっている。

m3.com内にもコロナ特設ページを作成し、コロナ情報を集めて医療従事者がいち早く正確な情報にアクセスできる環境を実現しているのですが、通常30日程度かかるプロジェクトを3日でやるというスピード感です。時代の変化に対応するべく、意思決定等も含めてタイムラインが10倍のペースになるような既定路線の変更はあると思いますね。

及川

なるほど。確かにアリババのニュースを見て私もすごいなと思っていました。新しいことをやろうとしたら当然リソースがいきなり増えるわけではないので、今までやろうとしていたことをスローダウンするか止めることになると思います。経営上、これはこの時期に出すとか既に決定しているものがあって、本来ならなかなか止めにくい事業もあると思いますが、そのあたりはどういう風に「やる」「やらない」を決めていかれた感じですか?

山崎

一言で説明するのは難しいですが、とにかくタイムラインが早まったということで、通常は落ち着いてしっかりやってニーズを満たしていこうという話になりますが、今はアライアンスをしてでも前に進めるといった、業界一丸となって解決すべきだという方向で素早く判断できたのは良いところですね。

どこと組むべきか、場合によっては内製すべきか等色々考えていくのですが、来週リリースするにはどうしたら良いのか。自分たちの都合以上に、世の中から求められているものにどう応えていくか、クライアントをどう満足させるのか、医療業界が何を求めているのかをより中心に考えるようになりましたね。

坂田

私も、いかに早くスピード感を持って効率よく開発し、世の中に価値を出していくかというニーズはすごく高まっていると思います。DXというメインストリームがある中で、新しいチャレンジをしたいけれどもどうしたら良いか分からない。

まずその一歩として、スモールスタートして小さな成功を積み重ねていき、大きくしていこうという流れが増えてきている。その判断の根底には、どのようにお金を投資していくかという予算の扱い方が背景にあると思うんですね。

いきなり5億投資するよりは小さく都度投資して進めていくことによって、無駄をつくるリスクを低減させながら投資してリターンを大きくしていくという戦略のニーズが高まってきていると思います。

及川

アジャイル開発やリーン開発のようなアプローチということですね。ちょうど今の話に関して、参加者の方から質問が来ています。

Q

通常の3~10倍の速度で実行するために犠牲にしていることはありますか?

山崎

まずは土日ですかね。というのは冗談ですが(笑)。実際、ここが正念場だから皆で頑張ろうと、代表の谷村も含めて寝る間も惜しんで対応したというのは事実としてあります。

ではどう速度を維持するかについては、大きく分けると2つあると思います。1つは新規事業や新規サービスの立ち上げ方の工夫です。例えば、慎重に判断していたものをもっとざっくり判断していくとか、自分たちの力でつくっていたものを同じ目的を志すアライアンスパートナーと協力してつくっていく。

もう1つは、通常業務へのウェイトですね。これは決して手を抜くという話ではなく、安定している運用はリスクをきちんと鑑みた上でオートパイロットにしていくということです。

例えばExcelの手編集をスプレッドシートにして一気に自動化していく等、最初の1週間はすごくキツイのですが、エンジニアや情シス部門が協力してくれて、ロボット化等も導入していく中で2週目以降はどんどん自動化されてPDCAサイクルのタイムラインも短くなるという変化が起こっていますね。

坂田

我々が一緒に仕事をする企業さんにいつも言っているのは、「100%同じプロダクトに携わるチームを連れてきてください」ということです。

複数案件持つような場合、例えば私がA・B・Cというプロジェクトに10%・30%・60%ずつリソース配分するのではなく、全員100%このプロダクトにアサインされている状態でやることを大前提にしています。

なので、他のプロジェクトを止めるとか人の配分をやめるという犠牲がどうしても生じます。すべてを同時並行で進めるのはまず難しいという前提の上で、「じゃあ優先度をつけていきましょう、一番大事なものはどれですか?」というコミュニケーションを取るようにしていて、それだけでスピードは爆速で上がります。チームのコミュニケーションもすごく早いですし、権限移譲をしていればそのばで意思決定してリリースもできる。

具体的な数字で言うと、あるクライアントは1つの機能リリースに9ヶ月かかっていたのが2ヶ月でできたことを価値として感じていただきました。なぜできたかと聞かれれば、「100%チームメンバーがこのプロダクトに関わってくれたから」といつも答えています。

山崎

我々も優先順位という話はありまして、すぐでなくても良いプロジェクトは先送りしました。更に言えば、リモートワークが同時に推進されたのは、我々にとって生産性の面でプラスに働いたところが大きかったですね。私の場合は往復2時間分の通勤時間がそのままプロダクト開発に投入でき、そこで20%吸収できるので。

及川

お二人のお話を聞いて思ったのですが、プライオリティというところで表裏一体となる、いわゆるトリアージ(やること・やらないことを決める)が重要となります。

通常時はできればあれもこれも拾いたいとハードルが低い状態で作業することが多いのですが、早く世に出したいとなれば全部やっていると時間が無くなるので、本当に価値があるところに絞って作業していくことになると思います。

また、先ほど山﨑さんが言われていたことは、9年前の東日本大震災の時の状況に近いなと。当時私個人でコミュニティをつくって被災者や被災地支援のIT系ボランティア活動をやっていたのですが、半年後には使われなくなる可能性もあるものや、使われる人数がこれくらいだろうというキャップが分かるものについては粗々なつくりで良いんですよね。市中感染の可能性がある状況はせいぜい2年くらいかなと想像した場合、今創っているものは最大2年間都内で例えば毎日1000人程度必要だと仮定すると、それさえ捌けるつくりであれば良いわけです。

もう1つ、坂田さんから先ほどMVPに関してお話をいただきましたが、最低限の機能を実装できるプロダクトについてもう一度お話いただいてよろしいですか?

坂田

本来我々がやりたかったこととしては、エンドユーザーが潜在ニーズを解決するためのアイデアやソリューションはこうだということです。かつ先ほど及川さんがおっしゃったように、完璧ではなくてまず最低限で価値を見出して使っていただける製品開発を目指すわけですが、とは言えコロナの影響で予算削減や人の削減によってプロジェクトを打ち切りにしないと会社のリソース配分がうまくいかないことから「ここまでである程度モノができるから」とラインを引いてしまう人が多い。

その「ある程度」は社内の方々にとってのモノサシなので、そこで語られる最低限の機能がお客さんにとって最低限の価値を実現できているかどうかは分からない状態で、ミスマッチになる可能性が高いんです。

及川

確かにそうですね。私も昔口癖のように言っていたのですが、「モノをつくる側の論理をユーザーに押し付けるな」と。MVPからもう一遍定義し直さないとダメということですが、山崎さんとも実は過去に何度か対談させていただいていて、エムスリーのMVPの定義で確か「3週間以上かかるものはMVPではない」というお話があったように思います。

山崎

ペーパープロトタイプ等も含めて、時間をかけ過ぎないようにという意味で言っています。例えば、エンジニアには1週間でつくってくれという表現をした時に、じゃあどうするのかというところも含めて。

及川

そうですよね。なので、先ほどの非常にスピードが速くできたという話も、恐らく昔からMVPも含めて「時間をかけるな」というのがエムスリーの中でカルチャーとして確立されていたから、今スピードが出せたのではないかと思います。

山崎

これは面白いエピソードがあって、先日遠隔面会システムがプレスリリースされたのですが、今コロナ禍でお見舞いに行けない中、病院の中ですごく寂しい思いをしている入院者の方がいます。

この課題に乗り出したのが実は代表の谷村で、自らアプリを全部削除してビデオ通話機能だけを残した2台のタブレットを用意してお互いに通信できるよう設定し、身内の方とやり取りしたと。その後、ソニーさんと本格的にコラボし本システムをサービスインしています。あれはMVP期間1日であり、構想も入れても1週間ぐらいだと思いますね。

及川

MVPについてもう1つ参加者の方から質問が来ています。

Q

ユーザーにとってのMVPを達成したと判断するための基準は何でしょう?

坂田

まず前提としてMVPの言語化が大事だと思っていて、そこに時間をかけています。モノで語るのではなくモノが何を成し遂げるのかを考えないといけない。ペルソナがこんな時にこういう課題を抱えている、このアプリケーションやソフトは競合と何が違って何々ができるのでこの課題を解決できるという要素をすべて文書化しています。

JR東日本の新しいアプリの例でも、クリティカルなペインポイントは乗りたい電車の遅延が何分かすぐ知りたい、と。遅延の原因まで踏み込んでいる競合が当時はまだ無かったので、その情報を保持しているのが我々の価値だろうと考えました。

ユーザーは、同じ5分の遅延でも原因が人身事故なのか車両点検なのか等を知ることによって、そこから更に遅れるのかビジネスマンの経験値である程度判断できる。お客さんが行きたいA地点からB地点まで問題無く規定の時間で到着できたとか、このアプリを使い続けてくれるとか、そういう一定の基準に達したところで我々の目指す世界観を実現できる第一歩ができたと判断しています。

山崎

プロダクトの規模やサービス形態によって変わりますが、実際に問題が解決したのかどうかがポイントかと思っていて、問題解決したのであれば達成できていると判断して良いと考えます。

例えば先ほどの面会の例にしても、入院している方と家族が笑顔になればMVPを達成しているとみなして良いのではないかと。2割の実装で8割の満足は得られるはずなので、どこからが改善のPDCAサイクルなのかという見極めも含めて、やはり我々は事業会社で現場のサービスづくりをしていますので、方法論より結果をみるケースが多いですね。

いわゆる限界効用逓減の法則で、使った時間や費用のコストに対して満足度の向上の仕方がどうなのか。「面会できる」という0→1が重要で、その体験がどうかというのはその次の話であって、どこまでMVPで満たせたら良いかという話かなと思っています。

及川

では、これをどう計測するのか?が次に重要になってくると思うんですね。MVPのみでなく、MVP以降どうプロダクトをグロースさせていくかもそうですが、本当にユーザーの満足度を上げているかをどのように判断するのか、コメントいただけると嬉しいです。

山崎

NPS(Net Promoter Score)は重要だと思いますね。実際にサービスやプロダクトを使ってみて、次も使いたいとか知り合いにも勧めたいというポジティブな反応があるかどうか。やはり問題解決できた人はそれに満足して、それを他の人にも伝えるはずという仮説は正しいのではないかと思っています。

坂田

我が成功指標としてよく掲げるのは、AARRR(Acquisition Activation Retention Referral Revenue)モデルですね。アクイジション・アクティベーション・リテンションの部分を指標として設けており、もちろんソフトウェアのモバイルアプリケーションの場合は、テストフライトやミックスパネル等多くの具体的な細かいデータが取得できるアナリティクスツールを使いながら、本当に達成できたのかを測っていくことが多いです。

コロナ禍から見えてきた新たな市場の可能性とは

及川

次の話題に移ります。現在コロナと共にする生活の中で、新たに見えてきた可能性もあると思います。新しい生活様式も含めて、色々新市場やビジネスチャンスがあるのではないか。具体的なチャンスというより、その前段階にある根本の変化のメタな部分について話せると良いかなと。

例えば飲食業においてもケータリングやデリバリがいいというのは目に見えるチャンスですが、根本はもう少し違うものがあると思うんですよ。恐らく今勝ち組と言われる企業も、具体的に何かをしたという手前の部分で何かしらの変化の芽を嗅ぎ取り、先ほどの山崎さんのお話のように素早く手を打ったのが市場やユーザーを獲得できた要因だと思います。

では、その変化のメタな部分とはコロナの中でどういうものがあるのかについて、お二方はどうお考えですか?

山崎

面白いですね。変化のチェーンが起こっている、変化が変化を呼ぶと思っています。

医療業界でも色々なことが起こっていますが、クライアントのDXに対する温度感や必要性が大きく変わっているんですね。医療機関の製薬企業との付き合い方も変わっていて、リモートがより重視されていたり、必要な時に情報が欲しいというオンデマンドであったり、そもそも需要が増えていたりとか。

患者さんや行政・法律の影響も受けています。エムスリーでは7P(Performance Target・Philosophy・Technology Platform・Place / Process・Payment system・People / Player・Public Policy)というステークホルダーのバランスを考えていくのですが、それぞれが連鎖的に変化しているというのが1つキーワードになるような気がしますね。

及川

確かにそれは1つの気づきですね。変化の連鎖が始まっている時に、まだ変化していないチェーンの先の部分があるとしたら、次にそこが変化するのではないかと予測し、そこに最初に手を打つとブルーオーシャンとして先行者利益を取れる可能性がありますね。

坂田

私はコロナ禍で人の深層心理がどう変わってきたのかを考えることが多いのですが、VUCAの時代と叫ばれて久しい中で、より不確実性が高い時代に突入してきたとサービス提供者として感じます。

山﨑さんのオンデマンドのお話にはとても共感していて、必要な時にすぐ買いたい、すぐサービスを受けたいという変化が起きていると思います。

DXの話に戻ると、そういう変化が見られるからこそ土台としてその変化に耐えられるプラットフォームやチームや開発手法が必要となり、地盤を固めつつある時期なのかなと感じています。

及川

DXについては2年分先取りしたところがあると思います。「いずれ来る未来が今来た」という考え方で、本来なら先を見通してマイルストーンやロードマップを考えていた企業が、いきなりアクセルを踏んで先取りしてやればいい。

変化とは2種類あると思っています。1つは、顕在化していなかったものが顕在化することによる変化の気づきがある。具体的に言うと、デジタライゼーションというものがあり、ハンコ文化が悪い意味で熱いじゃないですか。今までは皆面倒くさいけどオフィスに行くことでどうにかなっていましたが、今は命がけでハンコのためだけに電車に乗って会社に行くとなった時に本当にこれ必要なの?と。

もう1つは、本来の価値を考え抜くことが必要となってきている。物理的接触を避けましょうというのが分かりやすい世界観となっていますが、世の中の色々なサービスは物理的接触がユーザー体験のほぼすべてというものが山ほどある。でも、背に腹は代えられないわけですね。物理的接触ができなくなったので、じゃああなたはこの商売畳みますか?となった時に多くの人は必死に考えると思うんです。できないんだったらその価値をどうすれば提供できるか?と。

例えば料理においては、作り手が説明するとか、レストランで音楽を流しソムリエがホスピタリティ溢れるサービスでワインを選ぶことが価値だと思っていても、できないとなったらそれはあくまでも手段だったことに気づかないといけない。その手段がダメになった時に本当に提供したかった価値は何だろう?それは店ごとや業種によっても違うと思いますが、それをデジタル中心のところでどう提供すれば良いかを考えるということ。

それが起きている変化の大本になっていて、本来の価値は何かを考え抜くということなのではないかと思っています。

山崎

その通りだと思いますね。やっぱり最終的には変化のチェーンが起こっている渦の中でも変わらないところがあるんでしょうね。それをちゃんと理解しておくことがプロダクトマネージャーにはすごく重要かもしれない。

及川

まさにその通りで、今までも変わる部分と変わらない部分をプロダクトマネージャーは持っていたと思うんですね。

ピボットという言葉が分かりやすいです。今までのプロダクトマネージャーは事業の根幹に関わる大きなピボットから小さなピボットまでたくさんやっているわけですよ。普段からプロダクトマネージャーはその思考を試みていたはずで、今はその変化がとんでもなく大きい中でそれを求められていると考えられるかと思います。

坂田

及川さんが記事に書かれていたことを思い出しました。あれを読んで、軸を強く持つこと、見つけることがまず大事であると。

私は最近ソフトウェアスキルで大事なものは情熱だと思っていまして、「絶対にこれはブレてはダメだ」「これを達成するためにプロダクトやビジネスがある」という突破力や熱量を持つことが大事だと思う時がありますね。

何か可能性が見えるとそちらをやってみようと視線が移るかもしれないのですが、目線は変わっても身体の向いている方向は同じであるべきだと思っています。いかにこの姿勢を正す、固定させる、導くかがプロダクトマネージャーとして先陣切って旗を振るということなのかなと、及川さんの記事や今のお話から思いました。

及川

その方法論は私の会社の研修やコンサルでもコアな部分として使っています。私と同僚と曽根原春樹氏の3人でプロダクトマネージャーの書籍を執筆中でして、翔泳社のCodeZineの中にProductZineというコーナーがあり、週次でその書籍の一部を記事として連載しています。

坂田さんにご紹介いただいたのは最新の記事(https://codezine.jp/article/detail/12487)であり、もし機会があればご覧いただけますと幸いです。面白いところに話が発展したのであえて脱線してみたいのですが、今のコロナの状況下でプロダクトマネージャーに求められるマインドセットは何でしょうか?

山崎

難しい質問ですね。コロナの状況下であってもという話かもしれませんが、課題の設定能力はすごく重要だと思います。

プロダクトマネージャーは問題発見能力と問題解決能力の両方が求められる仕事だと思います。本質って何だろうと考えて探したのですが、例えば医療費の支払いの例で言うと、仮に自分がコロナ陽性ですと言われた場合、受付で現金を手で渡すのは受け取る相手のリスクが高いですよね。オンラインで非接触の決済をするとか、何が問題でどうして問題なのかというセンスがよりプロダクトマネージャーには求められてくる。

世の中が劇的に変わっていく今こそプロダクトマネージャーの価値が試されているというか、我々の活躍のチャンスだと思います。自分たちの価値とは何なのかを考えることはすごく重要だと思います。

及川

私は「プロダクトマネージャーとして学んだスキルは、人生において普遍的にユニバーサルに使える」とよく言っているんですが、昨年開催したプロダクトマネージャーカンファレンスでも「プロダクトマネージャーは世界を救う」という話をしました。日本、そして世界もかなりこの状況は良くなると思います。

質問がいくつか来ているので、拾わせていただきます。

Q

コロナにより一時的な需要はあると思いますが、ニューノーマルによって前に戻りそうなものはありますか?

これだと思ってつくっても半年後に終息して要らなくなるかもという見極めがとても難しいですが、そのコツを知りたい気持ちはよく分かります。お二人はご意見ありますか?

山崎

この質問からずれてしまうかもしれませんが、先程、優先順位の決定をどうするのかという話がありました。

我々はインパクトの高いものを優先的にやっている。限られた時間の中で多くの人にポジティブな影響のあることをやったほうがいいからです。インパクトの弱いものは戻っても戻らなくてもインパクトが弱いので、そこなのかもしれない。

坂田

これはとても難しいですね。一時的な需要が生まれる背景は何だろうと自問自答していて、恐らく代替手段が無いからかと。代替手段が他にもある、つまり要らなくなった時に戻るんだろうなと思います。具体例が出ないですが、代替手段の有無で考えていますね。

及川

さっきのコアのビジョンまで戻りましょうという話で考えられないかなと思ったんですよね。手段というのは、これを提供したらできるというのは分かるものの、もう1段階メタな部分があると思っていて、抽象度を上げてみることで判断できるのではないかと。

山崎

フードデリバリーは良い例で、何を解決しているのか?という。逆にレストランに食べに行きたいというのは家族とお祝いしたいのかもしれないし、本質的な価値として何の問題をどう解決しているのかということにつながっているように思いますね。

及川

そこそこコロナが終息して物理的接触ができるようになったとしても、抽象度を上げて価値を追求したならば、具体例として吉野家が昔BSE問題で米国から牛肉から輸入できなくなった時に、牛丼を出さなくなり豚丼など他品目展開するようになったものの、その後また米国から輸入できるようになった時に牛丼一本に戻るのではなく他の商品もやめずに残したことが確実に吉野家の魅力につながった面があったと思います。

同様に、新たな武器を持つことで二刀流になれるのか、それとも元に戻ったら代替手段があるのか?ということの合わせ技で考えると、これが一時的なのかどうかも判断できるのかなと思いました。

Q

計画のピボット等を行う時に何を優先して考えるべきでしょうか。ペルソナが明確でなく、ユーザーインタビューを実施する充分な時間もありません。

坂田

今まさにユーザーインタビューができないんですよ。営業を制限されている販売店もあるし、車を売ることを最優先しており、インタビューを依頼してもお断りされてしまう。

まず小さくモノを出してそこに来る人をペルソナ化していくのもありかなと。共通する属性・課題は何かということです。

ペルソナは仮説でも良いかなと思っています。ユーザーインタビューの目的にもよりますが、本当にお客さんっているんでしたっけ?と評価するものだと思っていて、使ってくれる人がペルソナ通りかどうかは出してみないと分からない。犠牲にするものはあると思うし、正直、えいやでやってみる部分も必要だと思います。

山崎

プロダクトマネージャーをどう育てていくかというと、基本的なインタビューの仕方や部分的なところから始めていき、段々上級者になり一通り使いこなせるようになります。

一流と超一流の差は端折り方だと思っていて、リスクコントロールとフィッティングを全部やろうとするとものすごく工数がかかってしまう。超一流はアウトプットの質をほぼ変えない精度で工数を10分の1にできる人たちだと思います。この状況で何を端折っても仮説検証の精度はズレないのかという、究極には問題設定センスにつながってきます。

及川

ユーザーの声を聞きすぎると無駄になるという話がありますが、どこまで聞く・ここからは聞かないというのはどうやって判断されていますか?

坂田

私がインタビューする理由は、仮説が合っているかどうかを検証するためです。成し遂げたいものを実現する上でのリスクをどう潰せるか。まず優先度が高いリスクが検証できたらそこで終えて良いと思います。ソフトウェアの世界では正直出してみないと分からないところがあるので、リリースするポイントで一旦切るという判断が必要かと。

及川

本質はコロナの状況下でも同じかと思います。市場がまだ無く、想定しているユーザーがまだいない、という。本来ならファクトで埋めていき、ユーザーインタビューでリスクを低減しないといけないのですが、今のような状況でインタビュー調査した情報がどれだけ役に立つか。プロダクトアウトで検証をかけていくしかない状況かもしれない。

チームメンバーがこれでいけると情熱を持ち、「絶対試してみたい」「市場を創るんだ」くらいの想いが今求められているのではないかと思います。

質疑応答

Q

医療や自動車など安定安心が大事な業界では急げる急げないがあると思います。そうした業界において、リスクコントロールやステークホルダー等で変わった点や工夫されている点はあるのでしょうか?

山崎

安全というのはとても大事なので、使い方で工夫するところはあると思います。確定診断の補助としてCT検査を使ってもらうとか。AI診断も異例のスピードで承認されています。普通は1年半かかるところを1~2ヶ月で承認されているわけなので、使い方まで配慮した全体的な安全性というのは工夫していく必要があるでしょうね。

及川

自動車とか鉄道等、とは言えスピード感が大事という中、コミュニケーションで工夫している点はありますか?

坂田

今やっているプロダクトが会社の収益に最終的にどうつながっているか、どう語るかというストーリーが変わったように思います。期間・予算で語るところが多かったのですが、目指すビジョンで語るようにしています。例えて言えば、普段は水を飲むためのコップをつくることだけに注目していたのが、今は紙のコップの方がむしろ安全なんじゃないかとかそういう議論になってきます。

及川

色々なものの安心安全は大事だけれども、コロナの安全性を高めた方が社会全体の安全性が高まることもあるかもしれないので、定義し直すことも大事ですね。

Q

VRなど新しい形で臨場感を提供することがどのようにプロダクトに影響を与えるでしょうか?

山崎

重要な局面もあると思いますね。例えばSlackでのコミュニケーションとZoomでのコミュニケーションはやはり違います。どちらが優れているかではなく、情報を伝達する上で何が重要かということだと思います。YouTubeが流行ったのはなぜか?というところにそのヒントがありそうな気がします。

坂田

影響するかどうか分からない部分があると思いますね。一時的なものかもしれないし。人間なので娯楽や趣味の時間が欲しいとなった時にVRとか新しい体験ができるということに投資することもあるかもしれないし、外に出ることができるようになったらまた代替手段ができるかもしれない。私も同じように気になるひとりでもあります。

及川

ケースバイケース、プロダクト次第というのは確実にあると思いますね。VRは今までヘッドセットが必要といったイメージがあったけれども、もしかしたら今後コロナが落ち着いてもVRでというのはあるかもしれない。

不動産の物件をバーチャルで見に行くとか、バーチャル旅行等、今後のマーケティングを変えるところもあるかなと思ったりしますね。仮想体験ができるようになったら、一定数は今後も残るのではないかなと思います。

Q

スピーカーの皆さんからみて、withコロナ対応がうまいと感じるプロダクトはありますか?

坂田

マクドナルドのデリバリーアプリですね。事前に注文しておいて、近くなると調理を始めてくれる。レジに行くとピックアップして帰るだけ。スマイルを実現したいという世界観であって、今でもハッピーセットを食べたいというお子さんの願いを実現できるようにという。試しに使ってみたのですが、すごく良いんですよね。店で食べたり持ち帰ることができたり、うまく使い分けられるようになっている。

山崎

我々は医療業界の対応が精いっぱいで、他のアプリを調査する時間が十分取れてないという反省点があります。

Q

リモートワークを行うにあたってコミュニケーションが取りづらいと感じます。クライアントやメンバーとのコミュニケーションにおいて心掛けていることはありますか?

坂田

Discordを使って仕事をしています。Zoomは真正面で対話するので面接みたいになってしまう。だったら電話みたいにしようと。コーヒー飲みながらとかリラックスした姿勢でカジュアルに話しやすくなるので、これからも続けていきたいと思います。

山崎

コミュニケーションが取りづらい環境になっているのかというと、取りやすくなった面もあると思います。例えば今も私は自宅から参加していますが、確実にやりやすくなっている。じゃあやりづらい仕事とは何かというと、進めやすい仕事と進めにくい仕事があってそこに工夫が必要になる。

新規事業はプロジェクトルームに集まってガッとやったほうがいいという話もありますが、一方有名OSSのようにすべてリモートで創れるという話もある。適応するために工夫をするということかなと思います。プロジェクトが走り始めるとリモートは武器になる。ただその前のブレストとかインプットが必要な時期はやりづらいかもしれないですね。

Q

レガシーな会社を変えるにはどうしたら良いですか?

坂田

プロジェクト思考からプロダクト思考に変えようといつも言っています。予算ベースで考えがちですが、そうじゃないですよと。プロダクト開発の目的はプロダクトの価値を最大化するものであると。そのベースで考えないと成功しない。最短でこの価値を実現しようという発想にマインドシフトしていくようなコミュニケーションをしています。

及川

最後にお二人から一言、質問に回答する形でお願いします。また、これからプロダクトマネージャーを目指す若手の方へメッセージをいただければと思います。

Q

プロダクトマネージャーに最も必要なことは何ですか?

坂田

ぜひ失敗して欲しいです。身近なものでいいので、実際にリリースしてみるとかリスクを背負ってやってみて欲しい。プロダクトマネージャーはリスクを背負うことが仕事なので。

山崎

プロダクトマネージャーの仕事は2つあって、プロダクトのマネジメントとプロダクトチームのマネジメント。この2つをうまくやることが一番大事。熱中できるようなプロダクトとそれに熱中するプロダクトチームを生み出して欲しいと思います。

及川

コロナにおいても高いビジョンを掲げることが大事であり、失敗を恐れないこと。石橋がそもそも無い状態からやっていかないといけない状況なので。非常に重要なメッセージをお二人からいただいたと思います。長丁場でしたが、本当にありがとうございました。

構成:神田 昭子

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